歯のお歯なし

Smile Story

歯と歯ぐきは命の証
花粉が舞うと、歯周病になる!?
世界の常識!食べ物が歯を鍛える!?
江戸時代は丈夫な歯がつくった!?
歯痛は「おかしい」ですまされません
女性のキレイは歯で決まる!?
人もロバも、良く噛めば元気百倍!!
金メダル は、歯の健康から
痛くない歯の治療はお笑い劇場から
抜けた歯はどこへゆく?
後悔歯がたたず!
モテる女の子はお口もキレイ!?
歯は何回生えかわる?
モーツァルトで歯痛にサヨナラ?

歯と歯ぐきは命の証

高齢を謙遜して「いたずらに馬齢(ばれい)をかさねまして」と表現することがあります。馬齢にかえて馬歯(ばし)ともいうと作家の司馬遼太郎さんが書いていました。歯は年齢と同じ意味に使われます。

犬馬の歯(よわい)ということばも漢文にあるそうです。「予は犬馬の歯をかさねて七十二になる」。このようにつかうと司馬さんは例をあげていました。歯の健康が年齢に直結しているひとつの証といえるかもしれませんね。

他にも、歯が年齢の意味で使われる用語に「歯次」、「歯長」などがあります。普段見慣れない言葉なので、このままでは意味がよくわかりません。しかし「歯」を「年」に入れ替えてみてください。「年次」、「年長」。いきなり、意味が明瞭になりますね。

考古学者が古代人の調査をする時に、まず注目するのは歯です。他の部分が失われても、歯は比較的保存状態が良好ですし、歯にはその人の生活史が刻まれているからでしょう。磨耗状態やむし歯の状況、歯並び、サイズ等から古代人の年齢、人種、食生活その他いろいろな事柄が調査できます。

また、警察の身元調査では歯が重要な決め手になることが広く知られているところです。捜査技術が進歩した今、歯の磨耗状態、着色、神経が入っていた空間の大きさ、再石灰化など様々な要素が法歯学の見地から検討され、多くの事件が解決されてきました。これも歯が年齢や健康状態と直接関係しているからこそ可能といえるでしょう。

歯と同じく、歯ぐきも年齢や健康状態を推定するために重要な材料となるそうです。歯ぐきは、年齢とともに退縮する傾向があり、歯周病の進行とともにその程度も大きくなるとか。

このように、歯や歯ぐきは命の証。お口の健康はそのまま生命や容貌に影響しますから、常日頃のケアを怠ることなく、心して「歯」(よわい)をおかさねください。

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出典・・・「司馬遼太郎が考えたこと」6(エッセイ1972・4~1973・2)、
新潮文庫・・・中部経済新聞(愛知県歯科医師会)



花粉が舞うと、歯周病になる!?

「風が吹くと桶屋が儲かる」ということわざがあります。風が吹くと埃が舞って人の目に入り、目が悪くなり・・・紆余曲折を経て最終的に桶屋が儲かるというものです。それではみなさんは、「花粉が舞うと、歯周病になる」というのはご存知でしたか?

花粉が舞って花粉症になると鼻が詰まる。そうすると口で呼吸することが多くなるため、口の中が乾燥してきます。通常より水分(唾液)が少なく、細菌が繁殖しやすい湿度となった口の中は、歯の周りに歯垢がついて、最終的に歯周病となってしまうのです。

歯周病は放っておくと命をも脅かす恐ろしい病気に発展する可能性もあります。歯周病菌は口の中だけでなく、血管の中にも入って行きます。歯周病菌が血管に入ることで、インスリンの働きを阻む物質が増えて糖尿病にかかりやすいと言われているのです。また血栓を作りやすくし、心筋梗塞などにかかる可能性もあり、「歯周病は全身の病気と深くかかわっている」そんな考えが、医師の間にひろまりつつあります。

そんな恐ろしい病気になる可能性のある歯周病に、成人の約80%以上がかかっていると言われています。歯周病を予防するには、当然の事ながら歯をこまめにきちんと磨くことと、水分を多く摂ったり唾液が常に出ている状態を作ることが重要です。その他に、歯周病予防に強力な味方となる食べ物もあります。フラボノイドが含まれるお茶は有名ですが、わさびや大豆製品が効果的なのはあまり知られていません。わさびには強力な殺菌効果があり、大豆には歯に良い“グリシン”という物質が含まれています。

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また、ヨーグルトも歯に良い食品の一つとされています。腸の働きを良くする代表選手であるヨーグルトが、歯周病にどのように働くのかピンと来ない方もいらっしゃることでしょう。ここで再び“桶屋の法則”腸の善玉菌が増えると免疫力が向上し、口の中の悪玉菌である歯周病菌の繁殖を抑えることができるのです。一方で、ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、酸を作りエナメル質を溶かすのでノンシュガーでも食べた後に歯を磨かないでいると危険です。要するに、体に良い食品はきちんと食べて、食後の歯と歯茎のケアは忘れない、それが大切なのです。

これからは、「花粉が舞うと、歯周病になる」「歯周病は万病のもと」という新たなことわざを覚えるとともに、今まで以上にお口のケアを心がけましょう。



世界の常識!食べ物が歯を鍛える!?

硬いものを食べれば歯が丈夫になることは、今や世界の常識ですが、甘いものや柔らかくておいしいものの誘惑にはなかなか勝てないものですよね。

ヒラメとカレイの見分け方としては顔の位置から「左ヒラメに右カレイ」というのが有名ですが、実はカレイの仲間には左側に顔があるものもいるため、この方法が通用しないこともあります。そこで見分け方としてあげられるのが“歯”の違いなのです。ヒラメの歯は大きく尖っていて、カレイは小さい、これは、それぞれの食べ物によって歯が変化しているからです。ヒラメはイワシやアジを食べるので大きくて強い歯を持っていますが、カレイはイワシやゴカイを食べているので小さな歯をしています。歯の違いは顔の違いにも現れており、ヒラメは口が裂けて怖い顔で“おおくち”などとも呼ばれますが、カレイはおちょぼ口の優しい顔で“くちぼそ”などと呼ばれることもあります。

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食べ物が歯を鍛えるというのは、人間の世界にもあてはまります。ナイジェリアの子供たちは、むし歯のある子が日本に比べてはるかに少なく、しかも噛む力がとても強いということが調査(※)によって知られています。資料によると、当時の日本の子供たちは約95%がむし歯を持っていましたが、ナイジェリアでは多くても約15~20%だったそうです。ナイジェリアの子供たちの健康な歯の秘訣は硬いものをよく噛んで食べること。食卓の上るメニューは、魚の干物や燻製、肉は放し飼いの牛や鶏の硬い肉で、焼くかあるいは煮たものを丸かじりするだけでした。彼らが50歳までに失う歯は平均1本以下。日本人が5.8本失っていることから比べるとナイジェリア人が健康で強靭な歯の持ち主であることがよくわかります。

またチベットでは、生後2~3ヶ月の子供に肉の丸ゆでしたものをおやつ代わりに与えて、歯ぐきを鍛えているそうです。「そんな乱暴な!」と日本のお母さんなら激怒しそうな話ですが、おっぱいが欲しくておなかのすいている赤ちゃんは、与えられた肉の塊にむしゃぶりついて、しきりにジュージューと肉汁を吸い、まだ歯の生えてない歯ぐきで噛みつき、あごを動かして噛む運動を繰り返します。このことは、乳離れができて歯ぐきを鍛え、あごを動かす機能を発達させます。また、自分の手で食べ物をつかんで飢えを満たすという行為が心理的にも頭脳の発達によい影響を及ぼし、自立を促すといういいことずくめのものなのです。

このように硬いものをよく噛んで食べることは、むし歯をなくし健康な体を作るだけでなく、顔の形・表情や子供の成長・発達にまで影響を及ぼす重要なことなのです。昔の人が硬いものを食べて健康な歯を維持していたのに対し、現代人にむし歯が多いのは、やはり食生活が変わったことが原因です。

健康な歯でよく噛んで食べることは、結果的に歯や体の健康を増進します。そのためにも、まずは日頃から歯の健康に十分気をつけたいものです。

(※)東京医科歯科大学とナイジェリアの医学部歯科学部との共同で、ナイジェリアの学童と成人の歯科疾患の実態を調査したもの。1980年から1991年に3回にわたって実施。
参考資料: http:/www.synapse.ne.jp/~iichiki/index.12.htm 



江戸時代は丈夫な歯がつくった!?

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江戸幕府を開いた主人公は、言わずと知れた初代将軍徳川家康です。群雄割拠といわれた厳しい戦国の時代を潜り抜け、関が原、大坂冬の陣、夏の陣を経てついに日本を統一しました。

たぬき親爺といわれたほどの人ですから、その政治、軍事的手練手管は天才的でさえあったのでしょう。新時代の露払い役を演じた織田信長、豊臣秀吉もそれぞれに天賦の才を発揮しましたが、鳴かないほととぎすを鳴くまで待って、ついにその後300年続く江戸幕府を開いたのは家康でした。

その家康は、健康に人一倍気を配ったと記録されています。元同志社大学 西岡一教授によると、家康は特によく噛むことを奨励、「一口、四十八回噛む」よう訓戒していたそうです。おそらく、この教えを配下の将兵や将軍家の家族に説いたのでしょう。家康自身、一口四十八回噛みを実践していたにちがいありません。

家康率いる三河軍団は、その質実剛健と粘り強さが今もって語り継がれているほどです。粘り強い組織というものは、まずその将兵が健康でなければ成立するものではありません。三河軍団の総大将家康が16番目の子供をつくったのは66歳の時。生涯健康で、当時としては長寿の75歳まで生きました。噛めよ、噛め噛めと大将から奨励されていた将兵の多くも毎日しっかり噛んで食べ、健康を維持していたものと想像されます。

家康とその将兵の長寿、健康がなければ徳川幕府の成立はなかったはず。そして、彼らの長寿、健康の根本はよく噛むことだったことを思うと、江戸300年は丈夫な歯がつくったといってもあながち飛躍とはいえないのかもしれません。

私たちも、日常からお口の手入れを怠らず、しっかり噛める歯を育んでいきましょう。


参考資料:
「噛めば体が強くなる」、西岡一著、草思社刊



歯痛は「おかしい」ですまされません

色白でふっくらとしたかわいらしい二十歳前の女性が、歯痛で顔を真っ赤にして苦しむ様子を見て、かの清少納言は「いとおかしけれ」と書いています(枕草子、一八九)。もちろん「いとおかし」は「風情がある」という意味で、清少納言が他人の歯痛を見ておもしろがっているわけではありませんが、「ああ、かわいそうに、さぞつらかろう」といわず、あえて「いとおかし」と言っているところに彼女の豊かな感性を感じますね。

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さて、この清少納言や紫式部が活躍した平安時代にはまだまだ医療が発達していません。人が病気になると霊魂やうらみ、執着心などの「もののけ」にとりつかれたということですませていました。治療法の中心になったのは加持、祈祷、まじないの類です。

そんな中でも、日本最古の医学全集がこの時代に編纂されました。中国の文献を下敷きにして書かれたもので「医心方」とタイトルがつけられています。この書物の5巻目、合計74章のうち、57升めから7章目までの13章が歯に関連した事項。

この本によると歯痛の原因は、あのひゅーひゅーと吹く風だそうです。風の気が口中に入ってきて骨髄を損ない、冷気が歯根に入って歯痛をおこすと書いています。歯痛の治療にはきざんだウドをお酒にまぜて熱い灰の中で温める。それを煮詰めて熱いうちにしばらく口に含み、吐き出せば効果テキメンだとか。お手本にした本場中国では、むし歯を焼いたり、むし歯の予防にはこつこつ叩くことをすすめたりといろいろな工夫がこらされていました。

いくら妙齢の女性が頬をおさえてつらそうにしている姿は風情があるとはいっても、当の本人はつらいはずです。風情より健康、清少納言女史に「いとおかし」などと言われないようお口の健康に心がけましょう

参考資料:
「日本の古代医術」・・・文藝春秋刊
「枕草子」・・・岩波書店



女性のキレイは歯で決まる!?

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みなさんは、どういう人をキレイだと思いますか?昔の中国のことわざに、「明眸晧歯」という言葉があります。「明るく澄んだ瞳と白い歯」という意味で、これが昔の美人の条件だったそうです。予防法のなかった大昔は、むし歯や歯周病のない女性は少なかったでしょう。しかし、技術が進んだ現代なら、白い歯を手に入れることができます。

銀幕に映し出されるハリウッド・スターの眩しいくらいの歯に、あこがれる女性も多いはず。”ハリウッド・ホワイト“という言葉もあるくらい、アメリカ人も映画スターの白い歯に憧れ、それを手にする努力はおしみません。彼らにとって、白い歯は健康的なイメージを創り出すだけでなく、
ステータス・シンボルでもあるからなのです。


ハリウッド・スターと同じような歯の白さだけでなく、ニコっと笑っただけで見える、彼らのきれいな歯並びを手にいれようと、歯並びを変える女性が増えています。しかし、そもそも歯並びを変えるのはかみ合わせをよくするためなのです。かみ合わせが悪いと、歯ぐきに大きな負担をかけてしまうことになり、歯周病の原因となります。さらに体全体の健康状態にまで影響がおよんでしまいます。

また、かみ合わせはスポーツ選手の重要な要素になっています。プロ野球選手の松坂大輔、松井秀喜やプロゴルファーの丸山茂樹など、スポーツ中継を見ただけで、彼らが個性的な歯並びをしているのが分かりますが、彼らの運動能力を支えてきたのが、かみ合わせです。天性として備わった運動能力を磨くためには、過激なトレーニングに耐えうる強靭な肉体が必要で、体の成長とともに、しっかりとした、かみ合わせシステムができているからこそ、そこまでの能力が発揮できるのです。

歯の形や白さ、歯並びなどの見た目はもちろん、かみ合わせがしっかりしていて、
生き生きとした表情をしている人こそ、魅力のあるキレイな人なのです。


みなさんも、かみ合わせの良い白い歯を目指し、毎日の歯とお口のケアに気をつ
けて、見た目のキレイさだけではなく、体の内側からの健康を維持できる、真の美
人になりましょう。


参考資料:
講談社α文庫「女のキレイは「歯」と「口もと」から」 林晋哉+林裕之



人もロバも、良く噛めば元気百倍!!

皆さんの好物がリンゴやせんべいだとしたら、当然、歯が丈夫でないと駄目ですよね。
これからお話しするのは、歯が弱って好物の人参を食べることができなくなってしまった
ロバのお話です。

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日華事変の起きた1940年ごろ、中国の戦場で、物資輸送のために働く一匹のロバが
いました。このロバは一文字山という北京郊外の地名にちなんで、一文字号と呼ばれて
いました。その後、日本軍は、戦場で活躍した一文字号に老後は穏やかに過ごしてほしいと
願い、上野動物園に寄贈したのです。

 一文字号は、上野動物園で子供たちを乗せた馬車を引いて人気を集めていましたが、寄る
 年波には勝てず、だんだん弱ってきました。動物園での生活も10年以上が経ち、人間の年
 で言うと役90歳。どうやら、前歯が著しく悪くなり大好物の人参を食べることが出来なくなっ
 たことが原因だったようです。

 戦場で一生懸命働いた一文字号が、毛並みの色ツヤや眼もわるくなり、今やすっかり元気
 がなくなってしまいました。その様子を見て心を痛めた周りの人たちは、どうにか元気を取り
 戻して欲しいと知恵を絞り、入れ歯を作ってあげたらどうか?という結論に達しました。そこ
 で、動物のために入れ歯を作るという前代未聞の作業を、無理を承知で歯医者さんに頼み
 こんだそうです。

幸いにも引き受けてくれた歯医者さんによって作られた特注の入れ歯は、一文字号に贈られました。一文字号は入れ歯を口にはめられるやいなや、与えられた人参をバクリ!!
ここで不思議なのは、口にはめられた異物が入れ歯と知るはずもないのに、「これで噛める!」という認識を一文字号がすぐにしたことです。咀嚼の感触を本能的に取り戻したのでしょう。
この後、一文字号は入れ歯のお陰で健康を取り戻し、子供たちにもかわいがられながら過ごしたそうです。

人間にとっても動物にとっても、食べ物をよく噛むことが健康の基本であり、好きなものを食べることができると言うのは本当に幸せなことです。いつまでも健康で大好きな物を自分の歯で食べられるよう、毎日のお口と歯のケアを心がけましょう。

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参考資料・・・(財)東京動物園協会発行「どうぶつと動物園」1964年2月号




金メダル は、歯の健康から

今年はオリンピック・イヤーです。そこでクイズをひとつ。
選手村には医師団が選手の健康管理のために控えています。選手たちが最も多く相談に来る科は?
1)内科     2)整形外科    3)歯科

答えは3)の歯科。とはいっても、北欧ノルウェーで1994年に開催されたリレハンメル冬季オリンピックでの
調査結果によると、と限定はつきますが。この大会にはのべ434人の患者さんが診療に訪れ、うち205人が
歯科の患者さんだったと記録されています。

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ということは、トップアスリートの方が一般の人たちより多く
歯の問題を抱えているのでしょうか?事実はどうやらその逆で
あるようです。JOCのスポーツドクターをしておられた明海大学
の安井教授が、オリンピック選手を対象に行った調査によると
、むし歯のない選手は男子で53.3%、女子で62.7%だっ
たといいます。当時、厚生省が一般人を対象に調査 した結果、
各々26.3%、40.9%だったことと比較すると、圧倒的に
トップアスリートの歯の方が健康です。

この調査結果だけで判断すると、歯の健康な人ほどトップアス
リートになれる確率が高いともいえるし、すぐれた選手ほど歯の
健康管理をしっかりやっているともいえます。たとえば、短距離
走や走り幅跳びで有名なカー ル・ルイス選手は歯の矯正をし
て ソウルオリンピックに臨んだそうです。 マリナーズのイチロー
選手は、一日5回ほど歯をみがくとインタビューで答えていまし
た。コンマ何秒かを争う選手や打率4割以上を狙うようなプロは、
歯の健康がいかに大切であるかを身をもって知っているのでし
ょう。

今年、オリンピック発祥の地ギリシャには、世界中からトップ
アスリートが金メダルを狙って結集します。
歯の健康を思いながら、応援しましょう。

参考資料:http//www.sfen.jp/column/shigaku1.html
「ようこそ!歯のふしぎ博物館へ」-「口の中の探検」うらばなし-岡崎好秀著
大修館書店刊



痛くない歯の治療はお笑い劇場から

歯の健康が私たちの寿命に直結していることは、野生動物の寿命が歯のそれと一致することを考えれば
すぐ理解できます。人類も有効な歯の治療法がなかった太古の時代には生命と歯の寿命がほぼ一致して
いたのでしょう。伝染病や難病の克服とならんで、歯科医療の進歩が長寿の基本であることは明らかです。

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しかし、かつての歯の治療には決定的な障害がありました。ともかく痛いのです。治療するといっても歯の
神経が化膿した時の激痛など、触ることさえできません。名誉のためには切腹さえ厭わなかった武士にも
歯痛の激痛に耐え切れず自害した人も記録されているといいます。

そんなわけで、痛くない歯の治療が人々の願望であったことは当然です。ところが、そんな工夫が
あるお楽しみ会で偶然『発見』されました。

1844年12月10日の夜、アメリカ合衆国ボストン近郊のハ-トフォ-ドという街で『笑いガス(笑気=亜酸化
窒素ガス)』をお客様に吸い込ませ、お酒に酔ったような酩酊様態を楽しんでもらう見世物もどきの巡業が開
催されていたそうです。その場に若い歯科医師ホ-レス・ウエルズさんが夫人と共に居合わせました。彼の
友人が笑いガスを吸って酩酊状態となり、向こう脛(弁慶の泣き所)をしこたまうったといいます。ところが、
その友人は何事もなかったように踊り続けていました。

このことにヒントを得たウエルズ歯科医師は、笑いガスを使い患者を酩酊状態にしたまま痛くない歯の治療
を工夫して大ヒットをとったと記録されています。今ではもっと的確な麻酔薬が開発されていますが、痛くない
歯の治療はお笑い劇場からはじまったという皮肉な実話でした。

現在は当時と比べ圧倒的に歯科医療は発達していますし、麻酔薬も進歩しているので歯の治療を怖がる
ことはありませんが、最善は治療より予防です。歯のお手入れは怠ることなく、常日頃から注意しましょう。

出典・・・文春新書118、笠原浩著『入れ歯の文化史』
日本歯科医師会日歯広報「歯ごたえのある話」より



抜けた歯はどこへゆく?

みなさんは乳歯が抜けた時、その歯をどうしたか覚えていますか?そのまま捨ててしまったという人は、まずいないでしょう。今回は、 きれいな歯が生えてくるようにと願いを込め、抜けた乳歯をどうするのか、様々な言い伝えや風習をご紹介しましょう。nuketaha3.jpg

まず日本では、上の歯が抜けた時は縁の下に投げ、下の歯が抜けた時は屋根に放り投げるという風習があります。こうするのは、新しい歯は、古い歯がある方向に伸びると信じられているからです。

同じような風習は、中国、韓国、シンガポール、ベトナムなどにも見られ、アジア地域で共通して広まっています。

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では、アメリカやヨーロッパではどうでしょう?この地域での言い伝えは、大きく二つに分かれます。


アメリカ合衆国、カナダ、イギリスなどでは、夜寝るときに枕の下に抜けた歯を入れておきます。そうすると、眠っている間に“歯の妖精”がやってきて、抜けた歯を持っていき、その代わりにコインを置いていってくれるそうです。

メキシコやフランス、スペインなどでは枕の下に入れた歯は、ちびネズミが持っていって、代わりにプレゼントを置いていってくれるそうです。

歯を持っていってくれる動物は、ねずみだけではなく、リスや小鳥だと言い伝えられている国もあります。また、チリやコスタリカなど、抜けた歯をイヤリングにして、自分の身につけておくというユニークな風習のある国もあります。

地域が違うと、風習や言い伝えも様々ですが、歯の健康を願う気持ちは万国共通なのです。そんな大切な歯が、虫歯にならないように、毎日の歯とお口のケアに気をつけて、いつまでもきれいな歯でいられるようにしましょう。

参考資料:フレーベル館「はがぬけたらどうするの?」

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日本歯科医師会日歯広報「歯ごたえのある話」より



後悔歯がたたず!


むし歯になってしまった歯は、二度と元には戻らないもの。むし歯に気付いてからどんなに悔やんでも、後の祭りなのです。そんなメッセージを伝えてくれる映画をいくつか紹介しましょう。

映画「キャスト・アウェイ」では、トム・ハンクス演じる宅配業者の敏腕エリートが仕事の途中、飛行機事故で無人島に漂着します。なんとか生き延びようとしますが、出発前から気になっていたむし歯がズキンズキン。歯医者に行っておけばよかったとくやんでも時すでに遅し。ついに耐え切れなくなった彼は、なんと漂着した荷物の中に入っていたスケート靴のエッジを使って歯を抜いてしまうのです。

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そして、4年間の無人島での壮絶なサバイバル生活を経て、愛する彼女の元に帰り着いてみると、彼女は5年前にハンクスの歯を治療した歯医者さんと結婚していて、今度は心がズキン!というさらに痛いおまけつき。

マコーレ・カルキンを一躍大スターにのし上げた「ホーム・アローン」シリーズの第1作目では、家に一人残った少年が泥棒退治に大奮闘します。家を下見に来た泥棒が、善人を装って笑顔を見せるシーンがありますが、そのときに見えた金属の歯のせいで、後から泥棒に入ったときに正体を見破られてしまいます。刑務所の中で、金属の歯じゃなければよかったのにと悔やんでもしかたないですよね。


また、「桜桃の味」などのイラン映画で有名なアッバス・キアロスタミ監督は、「歯が痛い」という短編作品を発表しています。その中では、歯をみがかなかったがためにむし歯になって痛みでうなだれている少年が登場しています。この作品がテレビで放映された途端、イランでは歯ブラシの需要が高まり、歯ブラシの生産が間に合わなくなったり、歯みがきを忘れた子供が夜中に歯みがきをしなかったと、うなされたりという現象が起こったとか。

こういう映画を見ているとむし歯ができて痛い思いをする前に、予防することが大切だと分かりますよね?むし歯のせいで何をやっても歯がたたないなんてことにはならないように、毎日の歯とお口のケアに気をつけてくださいね。

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日本歯科医師会日歯広報「歯ごたえのある話」より



モテる女の子はお口もキレイ!?

女の子は誰だって男の子にモテたいもの。でも、洋服やお化粧にばかり気を取られて、歯とお口のケアをおろそかにしていると、知らないうちにチャンスを逃してしまっているかもしれません。

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平安時代から鎌倉時代にかけて描かれた『病の草子』という絵巻物では、様々な病気に苦悩する人々の様子を見て取ることができます。その中に、『口臭の女』というタイトルの絵があり、歯周病に苦しむ女性の姿がおもしろおかしく描かれています。

高貴な身分の女性が歯を磨いているそばで、女官たちがたもとで口を覆って、臭いをふさいでいるのです。この絵の枕詞には『姿や髪は美しいけれども、息の香りがあまりにくさくて、近づいた男はいつも鼻をふさいで逃げてしまう。そばにいる人も臭くて耐え切れない』とあり、男に逃げられてばかりという言葉には苦笑させられます。

お口の臭いだけでなく、きれいな歯並びもまたモテる女の子になる重要なポイントです。笑った時に、唇のはしが少し上のほうへひっぱられますが、この時の唇の形をスマイルラインと言います。このラインの美しいことが美人の条件の一つだと言われます。

このラインを美しくするには、しっかり噛むことが大切なのです。よく噛むことで、土台となる骨の形の均整がとれ、形のよい骨が形成されます。歯並びがよくなれば、その上に乗る唇の形もよくなり、表情を作る筋肉が発達するので、きれいな笑顔が生まれるのです。

モテる女の子を目指すには、まず口元から。毎日きちんと歯とお口のケアに気を配り、外見や内面を磨くことも大切ですが、歯もしっかり磨いて下さいね。


参考資料:大月書店「おもしろい歯のはなし60話」

日本歯科医師会日歯広報「歯ごたえのある話」より



歯は何回生えかわる?

私たちの永久歯は一度抜けると、二度と生えてくる事はありません。アルマジロ、カンガルー、コアラなど、一度生えた歯が全く生え変わらない動物もいます。しかし中には、歯が何度も生えてくる動物もいることを知っていますか?

ワニやヘビなどの爬虫類は歯が欠けたり抜けたりしても、また新しい歯が生えてきます。サメにいたっては、たった1ヵ月で全ての歯が生え変わる時もあるとさえ言われています。私たちにとっては、うらやましい限りのように思えますが、必ずしもそうではないのです。

実は、生えかわる生き物の歯と、私たちの歯には大きな違いがあります。生えかわる歯は、尖ったものばかりで、獲物を捕らえるための道具にすぎません。しかし、私たちには、食べものをかみ切る前歯、ひきちぎる犬歯、咀嚼(そしゃく)して飲み込むための奥歯という、3種類の歯があります。そのため、食べものを口にした時に、歯ごたえや舌ざわりが楽しめます。

また、生えかわる歯には根っこがないので、非常に抜けやすいのです。歯の根はいわば木の根と同じようなもの。それがないので、すぐに倒れてしまいますが、私たちの口の中には、歯が抜けないように、歯の周りを取り囲む歯槽骨があります。しかし、この歯槽骨も、歯周病にかかると、根っこが溶かされ、歯がグラグラしてきます。言い換えればこれは私たちの歯がサメのような歯へと、退化する病気なのです。

私たちの歯は一度しか生えかわりませんが、大切に扱うことで、一生きれいに保つことができます。lみなさんも、毎日の歯とお口のケアをきちんとして、いつまでも歯ごたえや舌ざわりを楽しみたいものですね。

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 参考資料:
 http://group.lin.go.jp/data/zookan/kototen/gakko/hitsu1.htm
 http://eco.goo.ne.jp/wnn-z/files/study/QA/qa1.html#4

 日本歯科医師会日歯広報「歯ごたえのある話」より



モーツァルトで歯痛にサヨナラ?

歯医者さんに行くと、待合室や治療室に音楽が流れているのに気付きませんか?実はこの音楽、気分を落ち着かせるだけでなく、実際に痛みを和らげ、ドリルなどの音をかき消す役割も果たしているのです。

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歯痛と音楽の関係については、1550年頃、ボストンの歯科医ウォレス・J・ガードナー博士が、歯の治療中に音楽を利かせると、大部分の患者の痛みが和らぎ、麻酔さえ必要なくなったと報告しています。また、音楽を流しながら治療すると抜歯がスムーズに行われた例も数多く見られたそうです。

では、歯痛に効く音楽ってあるのでしょうか?フランスのアルフレッド・トマティス博士によると、音楽療法の原点はモーツァルトにあるといいます。トマティスは、あらゆる実験を繰り返した結果、モーツァルトを聞くと誰でもどこでも必ず心が穏やかになり、病気さえ回復に向かうことを実証しました。トマティスによると、彼の音楽は他の作曲者と違って、深く神秘的であると同時に非常にシンプルで親しみやすいのだそうです。

実はモーツァルト自身、晩年歯痛に悩まされていたそうです。彼は、そんな痛みを紛らわせるために作曲に没頭していたのでしょうか?その頃は、まさか自分の作った音楽が歯痛に効くなんて想像もしなかったでしょう。そんな癒しの音楽を生み出したモーツァルトがわずか35歳で亡くなってしまったことを考えると、なんだか悲しくなってしまいますね。

もし歯が痛くなったときは、モーツァルトに感謝しながら彼の音楽を聴いてみるといいかもしれません。でも、彼の音楽では虫歯は治りません。毎日の歯とお口のケアに気をつけて、使った歯はきちんと癒してあげましょう。


参考資料:
日本歯科医師会日歯広報「歯ごたえのある話」より